超小型探査機を用いた月以遠深宇宙探査に関する研究会プログラム
2020年2月8日 13:00~
発表者 | 所属 | タイトル | 開始 | 終了 | 司会 |
---|---|---|---|---|---|
趙 孟佑 | 九州工業大学 | あいさつ&趣旨説明 | 13:00 | 13:10 | 船瀬 |
金 相均 | 九州工業大学 | 超小型探査機によるLunar Horizon Glow観測に向けた軌道決定技術の開発
月の昼夜境界線で帯電により浮上したレゴリスによる太陽光の散乱によるLunar Horizon Glowはアポロプログラムの時から報告された現象であるが、観測機会が乏しく未だ謎に包まれている。超小型探査機を活用する事でその観測機会を増やすことが可能である。Lunar Horizon GLow観測ミッションと、ミッション実現に向けた探査機の軌道決定技術の研究開発を紹介する。 |
13:10 | 13:30 | |
船瀬 龍 | 宇宙科学研究所/東京大学 | 超小型衛星による機動的で高頻度な深宇宙探査の実現にむけた取り組み | 13:30 | 13:50 | |
橋本 樹明 | 宇宙科学研究所 | 世界最小の月着陸機OMOTENASHIの開発 | 13:50 | 14:10 | |
杉田 精司 | 東京大学 | 月周回超小型機衛星による月極域永久影内の氷探査
月の永久影内の氷はH2O資源として重要である。また、低輝度低温条件下の氷の観測は、今後の太陽系探査の中心となる彗星、氷衛星、ケレスなどの探査で必要な汎用性の高い技術である。 本講演では、月永久影を高感度カメラで精密光学測量して低温堆積物の体積と反射率を得るとともに、堆積物表面への微小天体衝突やスパッタリングで生じる希薄大気の元素組成を質量分析装置で分析し、氷総量を推定する超小型機月周回衛星を提案する。 |
14:10 | 14:20 | |
佐藤 直樹 | JAXA国際宇宙探査センター | 月周回軌道利用促進プログラム構想 | 14:20 | 14:40 | |
小泉 宏之 | 東京大学 | 超小型探査機の大電力化時代に向けた統合「水」推進系の発展
これまでの超小型探査機による深宇宙探査は、主探査機の相乗り打上げによって実現されており、「機会」や「行先」は主探査機に大きく依存している.本研究では,この問題を解決するため、超小型探査機に搭載可能な、静止軌道(GEO)から月以遠に航行するための推進系の実現を目指す.具体的には,4の問題点:1)1km/s以上の速度変更能力,2)地磁気に頼らない姿勢制御能力,3)あらゆる打上げ機会への高い親和性,4)あらゆるサイズ・電力の超小型探査機への適応性,を克服するための大電力・水・統合推進系の研究開発を進める. |
14:40 | 15:00 | |
休憩 | 15:00 | 15:10 | |||
中条 俊大 | 東京工業大学 | 超小型ソーラーセイルによる太陽-地球-月系航行技術と実証ミッション
超小型ソーラーセイルによる,太陽-地球系や地球-月系のラグランジュ点周りの軌道,およびそれらの間を遷移する軌道に関する航行技術を紹介する.太陽輻射圧を推進力とすることで,推進剤をほとんど消費することなく,長寿命なミッションを実現することができる.さらに,月遷移軌道や月軌道プラットフォームゲートウェイからの放出を想定した,6Uの宇宙機による技術実証ミッション計画をあわせて紹介する. |
15:10 | 15:20 | 小泉 |
永井 大樹 | 東北大学 | 火星の空を翔る超小型飛行機による 新たな探査手段の提案 -マーズショットPLUS-
本提案では,地球以遠の惑星である火星に超小型探査機を送り込む(マーズショット)ということ,また火星大気に探査機を突入させ,超小型の飛行機を火星大気中で飛行させる(PLUS)ことを目指している.特に火星上で飛行機を飛ばすという試みはこれまでに例がなく,非常にチャレンジングな目標となる.講演では,世界における火星飛行探査の現状とこの超小型飛行機による探査手段の提案についての概要を述べる. |
15:20 | 15:30 | |
亀田 真吾 | 立教大学 | 恒星間天体サンプルリターン計画を考える
2017年に初の恒星間天体としてオウムアムアが発見され、2019年には2番目の恒星間天体としてボリソフ彗星が発見された。LSSTが稼働を開始すれば、さらに高頻度で恒星間天体を検出できるようになる。このような恒星間天体を探査対象として、小惑星リュウグウからサンプルを持ち帰った「はやぶさ2」や、現在検討中の彗星探査計画コメットインターセプター等の技術を利用し、サンプルリターンを実現する手法について議論する。 |
15:30 | 15:40 | |
吉岡 和夫 | 東京大学 | 超小型探査機と光学観測
原子や分子の輝線を用いた光学観測は,惑星大気やプラズマのダイナミクスやエネルギーを遠隔的に把握できる有効な手段である.しかし,視線方向積分による立体構造の縮退や,太陽光などの外的要因への依存性という本質的な弱点がある.本発表では,超小型探査機の早い開発サイクルを活かし,複数機による同時観測や,異なる天体の系統的な観測などを通して,光学観測の長所を最大化し,弱点を補う可能性について議論する. |
15:40 | 15:50 | |
今村 剛 | 東京大学 | 超小型探査機による太陽系天体の電波掩蔽観測
探査機と地上局を結ぶ電波を用いてその経路上の媒質を探る電波掩蔽観測は、惑星大気や太陽コロナや惑星のリングなど太陽系天体の調査に利用されてきた。しかしそれらは基本的に大型の宇宙機の通信系を利用して他ミッションの傍らで実施され、必ずしも電波掩蔽に最適化されてこなかった。ここでは、超小型探査機を用いることによって太陽コロナや月面環境の電波掩蔽観測を従来にない方法で機動的に実施する可能性について述べる。 |
15:50 | 16:00 | |
総合討論 | 16:00 | 16:50 | 趙 | ||
宮崎 康行 | 宇宙科学研究所 | 閉会の挨拶 | 16:50 | 17:00 |