革新的宇宙利用実証ラボラトリーの研究紹介

ラボラトリーでは宇宙利用実証に関する様々な研究を行っています。ここではその研究の一部を紹介します。



超小型衛星を利用した地上センサーデータ・衛星画像データの取得と情報抽出・配信に関する研究

2021年打ち上げ予定の6Uキューブサット「KITSUNE」にて、地上センサーデータの収集と高分解能地球撮影を行う予定です。得られたデータを元に、ユーザが必要とする情報を 早く、的確に、効率的に抽出し、提供するための仕組みについて研究を行っています。

地上センサーデータ・衛星画像データの取得と情報抽出・配信イメージ図


Lean Satelliteに関する研究

Lean Satellite とは、「低価格・短期に顧客やユーザーに衛星の作り出す価値を届けるために、リスクを許容し無駄を削ってシステムを作り運用する、従来のいわゆる大型衛星とは異なった手法をとる」衛星を意味します。リスクを許容するために衛星サイズは必然的に小さくなり、日本語で言うところの小型衛星・超小型衛星とほぼ同義語です。Lean Satelliteの理念を構築するために、衛星を早くつくる手法、衛星を簡単につくる手法、衛星の大量生産、最適なインターフェース、無駄を省いた衛星プロジェクトの運営方法、等々についての研究を行なっています。毎年、International Workshop on Lean Satelliteを主催しています。詳しくはこちら


先進的超小型衛星ミッションに関する研究

キューブサットによる月探査を目指して、システム検討と要素技術の開発を行なっています。本研究は、米国(CalPoly)、シンガポール(NTU)、イタリア(University of Rome, Sapienza)との国際共同研究として実施されています。


CubeSat標準バスと各種要素技術に関する研究

自分で衛星は作りたくないものの、3Uや1Uのキューブサットを使った迅速な宇宙実証を求める人たちが増えています。それらの人々に対して、宇宙実証用のプラットホームとして提供できる1Uまたは3Uのキューブサット標準バスの開発を進めています。宇宙実証を行う人が、ミッション機器だけを所定のインターフェースに合わせて用意すればすぐに宇宙実証ができるようになることを目指しています。また、キューブサットの先進化、低価格化、普及、信頼性向上等々を目指して、キューブサットに搭載可能な様々な要素技術の研究開発を行なっています。

1U・3Uキューブサット標準バス


衛星の環境試験

ラボラトリーの下部組織である超小型衛星試験センターでは50㎝四方、50㎏以下の衛星をターゲットとした衛星の環境試験を行っています。国内・海外を問わず、外部利用として試験の対応を行っています。また、衛星環境試験の標準化やプラットフォームの標準化を目指して、今までにISO-19683(Space systems Design Qualification and Acceptance Tests of Small Spacecraft and Units)の規格化を九工大が主導して進めてきています。

詳細は超小型衛星試験センターのサイトを確認下さい。


大量データに駆動される知識発見とモノづくり

バイオイメージインフォマティクス(バイオロジー分野の画像データの解析手法の開発)や、防災分野や地球科学分野(地震、気象、宇宙物理など)のデータ解析を行っています。

詳細はこちらから


太陽地球系科学分野の実計量データアーカイブを用いたデータサイエンスに関する研究

宇宙関連ビッグデータのICT社会における利活用と実装に向けた基礎研究として下記の研究を行っています。

研究内容:

  • 地上地磁気・電離圏電場データの利活用による宇宙災害・ICT社会基盤を脅かす太陽表面爆発フレア発生時の電離圏擾乱変動特性の可視化モデルの開発
  • オーロラ動画ビッグデータの機会学習に基づくオーロラ形態学の新たな研究手法の開発
  • 電離圏環境変動を反映した新たな通信環境監視システム開発を支援するビッグデータに基づく電離圏環境特性に関する基礎研究


宇宙天気の研究

地上から高度100キロメートルから約10万キロメートルの領域は、既に多くの人工衛星が飛翔している領域であり、すでに人類の生活圏となりつつある領域です。この領域について

  • ニューラルネットワークを用いた静止軌道高エネルギー電子フラックスの予測に関する研究
  • CubeSatによる低高度電離層の観測研究
  • CubeSat開発の基礎技術教育への応用

のテーマで研究を行っています。

研究の詳細はこちらから


太陽電池の帯電・放電に関する研究

ラボラトリーでは、宇宙プラズマ環境における衛星表面帯電を模擬し、宇宙機器の帯電・放電への耐性を検証する世界有数の地上試験装置を有しており、1999年より国産衛星に搭載される太陽電池アレイ及びその他の部材についての帯電・放電試験を行ってきました。 これからも世界に誇れる試験設備を有効活用して従来型衛星用宇宙機器について試験を進めると共に、宇宙太陽発電システムやエレクトロダイナミックテザーといった次世代宇宙システムの実現に向けた耐宇宙プラズマ環境技術の開発・試験も行います。 また、太陽電池アレイの地上帯電・放電試験についてのISO(International Standard Organization)を通じた国際試験規格作りを行ってきており、今までに、ISO-11221(Space systems -- Space solar panels -- Spacecraft charging induced electrostatic discharge test methods)、ISO-19923(Space environment (natural and artificial) -- Plasma environments for generation of worst case electrical potential differences for spacecraft)の規格化について主導して来ています。

<帯電放電試験設備>


超小型衛星用推進システムに関する研究

CubeSatのような超小型衛星に搭載可能な推進システムの開発を行っています。固体推進剤を用いた電気推進機を開発することで、超小型衛星の姿勢制御、軌道変更、デオービットを目指します。


宇宙材料の劣化に関する研究

宇宙で使用する際の各種材料物性の評価や耐宇宙環境性評価、先進材料の研究を行っています。紫外線照射装置、熱光学特性評価装置、アウトガス試験装置などを取りそろえており、日本の宇宙材料研究拠点として活動しています。

紫外線照射装置

紫外線照射装置

宇宙材料劣化研究拠点(CRED)のサイトはこちらから


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